中国とインドの接近と、あせる日本の独占資本家ども——労働者として団結して資本家どもとたたかおう!
ロシア中部のカザンで開かれたBRICS首脳会議をめぐって特筆すべきことは、中国の習近平国家主席とインドのナレンドラ・モディ首相とが会談したことである。これは5年ぶりの首脳会談である。中国とインドとは国境をめぐって対立し、紛争をくりかえしてきたからである。今回の会談で一定の合意がなされたものとみられる。
中国の国家権力者にとってもインドの国家権力者にとっても、自国が世界の覇権をめざすためには、両国の対立を緩和することがどうしても必要なのである。
中国の権力者は、インドとの国境線にかんしてはできるだけ固定化しておいて、軍事力を、アメリカおよびそれに依存する国ぐにと抗争する台湾周辺と南シナ海に振り向けることをねらっている、といえる。それとともに、この権力者は、アメリカ帝国主義に代わって世界の覇権を握るために、東側帝国主義国の雄として、一方では、もう一つの東側帝国主義国であるロシアを牽引しながら、他方では、グローバル・サウスの最先端国をなすインドとの関係を自国に有利なかたちでつくりあげていく、ということを目論んでいる、といえる。
インドの権力者は、中国が覇権を握るよりも前に自国が世界の最強国となるために、日米豪とともに「Quad(クアッド)」を構成するというかたちで西側諸国との関係を強化しながら、これまで兵器を輸入したりして関係の強いロシアばかりではなく、中国をも自国の経済的発展に活用する、ということを策しているのだ、といえる。すでに、中国はインドの最大の輸入元となっているのであって、この権力者は、世界最大の若い労働人口を基礎にして自国の経済を飛躍的に発展させるために中国からの投資を呼びこむことを意図しているのだ、といいうる。
このような世界の動きから取り残される、とあせっているのが、日本の独占資本家どもなのである。伸長する中国とインドに日本は蹴落とされる一方なのであり、しかもその中国とインドに依存する以外には日本は生き延びていくことはできないのだからである。
アメリカの国際政治学者のイアン・ブレマーとともに「GZERO(Gゼロ)サミット」の共同議長の一人を務めた日本経済界のイデオローグ・新浪剛史は、次のように語ったのだ、という(「読売新聞」10月24日朝刊)。
「中国が新興・途上国の「グローバル・サウス」との関わりを深めている。東南アジア諸国連合(ASEAN)では、米国より中国と連携すべきだとの声が大きくなってきた。領海問題に比べて緊迫化する中東情勢の方が注目され、相対的に中国の脅威は小さくなっている。」と。
この男が言うのは、領海問題には目をつむり、中国の脅威は小さくなっていると見なして、もっと中国に依存しないことには日本経済は存続できない、アメリカの方ばかりを向いていたのではだめだ、ということなのである。この言につらぬかれているのは、日本はアメリカへの依存を脱して世界に雄飛しなければならない、という日本ナショナリズムである。
国会議員選挙で与党と野党のすべてが唱和しているのは、日本の国益を追求するという日本ナショナリズムなのである。国益とは何か。それは、日本の独占資本家どもの利益なのである。それは、労働者の利益なのでは決してない。
労働者が自分たちの利害を貫徹するためには、労働者階級として団結し、資本家階級にたちむかわなければならない。それは、投票所で一票を投じるということによっては実現しえない。職場で労働者の団結をかちとらなければならない。
労働者として団結してたたかおう!