「令和の金の卵」がITの技術者に。衰退産業から放出された中高年労働者には没落あるのみ!
「令和の金の卵」がいま脚光を浴びているようだ。NHKのニュースでやっていた。かつての1950年代・60年代の「金の卵」は、中卒者だったが、いまは高卒者だ。
彼らはきわめて優秀であるようなのだ。高卒人材の奪い合いになっており、諸企業は高卒採用を増やしたり、新たに高卒採用枠をつくったりしているそうなのだ。
ある寿司店は、これまで大卒者と高卒者とのあいだに設けていた3万円の格差を完全になくし、両者ともに初任給を25万円にしたのだという。
注目すべきなのは、IT(情報技術)の技術者の育成である。ある企業は、専門的知識のまったくない高卒の女性(顔はほんとうに高卒の女の子という感じであった)を採用し、6か月みっちり教育し訓練してプログラミングを体得させたので、これから技術開発部門に配属するのだ、という。デジタルネイティブ(インターネットやパソコンなどのデジタル機器に親しんで育った世代)の人材なので、こういうことができるのだという。
これでは、在来の中高年労働者は太刀打ちできない。
従来の技術性しかもっていない労働者を、このような新たな若い労働者にとって代える、というのが、新浪剛史らの独占資本家どもの言う「人材の流動化」ということなのであり、いま選挙で票を奪い合っている・与党と野党をふくむすべての政党の言う「日本経済の発展」なのである。
この若い労働者の前途には、企業経営陣からの技術開発課題の強制によるうつ病と過労死が待ち受けている。衰退産業から放出された労働者には、より一つ下の階層への転落が待ち受けている。これまでよりも格段に低い賃金とよりいっそう過酷な労働が、その姿だ。
いま、はなばなしくおこなわれている選挙戦と国会は、労働者のこの苦しい現実をおおい隠すためのイチジクの葉なのである。労働者の利益を守るかのように見せかけて議員になったうえで裏切り・労働者を踏みにじるのが、議席をあらそっている・すべての政党の立候補者なのだ。
新たに採用された若い労働者も、ずっと疎外された労働に苦しめられてきている労働者も、そして衰退産業から放出され・より一つ下の階層への転落を余儀なくされた労働者も、すべての労働者は、独占資本家どもの搾取にたちむかうために、労働者として団結しよう!
労働者による労働者のための労働者の組織たる労働者評議会(ソビエト)を創造し、この組織を基礎にして搾取そのものを廃絶する、ということを意志して、いま、労働組合の、職場の労働者の団結を強化するために奮闘しよう!