中国の「デジタル・シルクロード」構想に対抗し、海底ケーブル分野での主導権を狙う高市政権
国会解散・総選挙にうってでた高市早苗の政権は、中国政府が「デジタル・シルクロード」構想を貫徹してきていることに危機意識をいだき、これに対抗して、海底通信ケーブルの分野において日本の主導権をうちたてることに狂奔している。海底ケーブルは、国際通信の99%を担う。この分野は、今後のAIの発展と普及にとって一つの環をなし、そして軍事的に重要な位置をしめる、と同時に、日本の独占体が競争力をもつ・日本の国家権力者にとっての期待の部面なのである。
高市政権のその政策は、2025年11月7日の経済安全保障推進会議で、経済安保推進法の改定を検討することを指示し、海底ケーブルにかんして、半導体と並ぶ「特定重要物資」に指定する方針を打ち出したことに端的にしめされる。政府は、「情報の大動脈」ともいえる海底ケーブルの整備だけではなく、その敷設や保守などの関連サービスにおいても日本が主導権を握ることが重要だと位置づけ、それへの財政支援を拡大する構えをしめしているのである。
というのは、ヨーロッパ諸国の国家権力者は、バルト海における海底ケーブルの切断をロシアの船舶の仕業と宣伝しているのであり、日本政府は、中国政府の指示にもとづいて台湾周辺で海底ケーブルが切断されることを警戒しているのだからである。この切断を未然に防止し、また切断箇所をすぐさま復旧するためには、海底ケーブルの敷設と保守の作業を日本の独占体がにぎることが必要である、と日本の国家権力者は考えているのである。
海底ケーブルの世界でのシェアは、フランスのアルカテル・サブマリン・ネットワークスが40%、アメリカのサブコムが31%、日本のNECが21%をにぎり、これを中国のHMNテクノロジーズが8%で追う、という構図になっている。NECはこのシェアを40%に増やすという企業戦略をうちだしているのである。日本の国家権力者・高市は、日本の独占体の主導権を何としても確立したい、というわけなのである。
アメリカのグーグルやメタなどの巨大IT(情報技術)企業も、相ついでこの分野への参入を決定し、敷設計画を発表した。現在150万キロメートルの海底ケーブルが敷設されているのであるが、生成AIの普及によって急増する通信量に対応するために、2026年から2040年にかけては現在と同等以上の160万キロメートルを新設することを、世界の諸独占体と諸国家権力者は構想しているのである。
このような状況を見すえて、中国政府は、「デジタル・シルクロード」構想をうちだし、これを貫徹しているのである。この構想は、「一帯一路」構想のデジタル版をなす。それは、光ファイバー網、海底ケーブル、スマートシティ、クラウド、AI、監視技術などの幅広い分野にかんして、海外の国ぐにに、自国の資金を貸し付け・自国の独占体によってそのインフラ設備を建設するというかたちで、当該の国ぐにへの技術的および経済的な影響力と支配力をたかめる、という戦略なのである。
2024年12月に、NECは、中国、日本、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムを結んで1万キロメートルにおよぶ大容量光海底ケーブル「Asia Direct Cable (ADC)」の建設を完了し、ADCコンソーシアムに引き渡した、と発表した。ADCコンソーシアムとは、ソフトバンク、NT (Thailand)、China Telecom、China Unicom、PLDT Inc.、Singtel、Tata Communications、Viettelといった通信およびテクノロジー企業で構成されたグローバルなコンソーシアムである。
この光海底ケーブルは、日本の独占体NECが建設し、日本のソフトバンクや中国の通信企業などが参加する企業集団が運営するものであって、日本の国家権力者にとっては、日本の独占体がその敷設と保守の主導権をにぎることが決定的に重要だったのである。
このことにみられるように、日本の国家権力者と極右勢力は、「日本国家と日本人が世界に羽ばたく」という日本ナショナリズムを内外に貫徹し、最先端技術の分野において主導権をえるために邁進するわけなのである。彼ら支配者どもは、労働者たちの搾取を強化し、資本を増殖するために、最先端技術の部面で競争に打ち勝つことに狂奔しているのである。
このように労働者たちの搾取をよりいっそう強化するために相争う東西の帝国主義を打倒するために、全世界のプロレタリアートは、みずからを階級として組織し、国際的に団結してたたかおう!