イタリアの極右メローニ首相、「アメリカはグリーンランドやパナマ運河を強制的に奪うことはない」とトランプを擁護
イタリアのジョルジャ・メローニ首相は、1月9日の年次記者会見で、グリーンランドやパナマ運河を自国のものにしようとするトランプの発言をさして、「今後数年のうちに、アメリカが、自国が関心を持つ領土を強制的に併合しようとすることはないだろうと私は思う」「両地域とも近年、中国が台頭している」と述べ、中国を念頭においた発言だ、というようにトランプを擁護した。
また「マスク氏は言論の自由を行使しただけだ」と、極右勢力をたたえたイーロン・マスクを擁護した。
メローニは、第二次世界大戦後のネオ・ファシズムの流れをくむ極右政党「イタリアの同胞」の党首を務める。
メローニはしゃしゃり出た。この権力者は次のように呼びかけたのだ、と言ってよい。
——台頭する中国に対抗し・ロシアを抑えこむために西側諸国は結束しよう。ヨーロッパ諸国は、次期トランプ政権のアメリカと固く結びつくべきだ。われわれ極右勢力こそが、ヨーロッパの資本家階級の利害を体現し、全資本家階級の意志を貫徹しうる能力をもつ。ヨーロッパの国ぐには、私・極右のメローニが率いるイタリアが牽引する。それぞれの国では、極右政党が中心となり他の諸政党がそのまわりに結集した勢力が国家権力を掌握すべきだ。——と。
歴史はくりかえす。ファシスト・ムッソリーニは、世界で真っ先にイタリアで国家権力を掌握した。そしてヒトラーのナチスはこれにつづいた。
だが、ブルジョアジーとプロレタリアートとの力関係は、かつてと今とでは決定的に異なる。
かつては、ブルジョアジーにたいするプロレタリアートの階級闘争が激化する状況のもとで、動揺した小ブルジョアを軍隊的に組織化し労働者の諸組織を暴力的に破壊して、「国家社会主義」を標榜したファシストやナチスが国家権力を掌握し、これが独占ブルジョアジーの権力となった。
だが、いまは、ソ連の崩壊と各国スターリン主義党の破産によってプロレタリア階級闘争は壊滅させられ、われわれプロレタリア党の組織的力量はなお微弱である。極右勢力は、移民排斥の排外主義をあおって、労働者階級をイデオロギー的にだまし・かつ・分断したことに立脚し、自分たちが独占ブルジョアジーの利害を貫徹することを公言して、国家権力を掌握し、また掌握しようとしているのである。
中国・ロシアの東側帝国主義勢力の脅威が迫っていることのゆえに、アメリカおよびヨーロッパそして日本の独占ブルブルジョアジーの危機は深刻であり、彼らの利害を体現する極右・自国第一主義・ナショナリズムの諸勢力は、あがきに満ち満ちて、凶暴である。支配階級は、迫りくる経済的危機に脅え、これをのりきるために、労働者たちの搾取を徹底的に強化することを企て、強行しているのである。
われわれプロレタリア党は、全世界のプロレタリアを一切のナショナリズムから解き放ち、階級として組織して、国際的な団結をかちとらなければならない。
全世界のプロレタリアートは、西側帝国主義陣営の、そして東側帝国主義陣営の、さらにグローバル・サウス諸国の、すべての国家権力を打倒し、プロレタリア世界革命を実現するために、プロレタリア・インターナショナリズムに立脚し、みずからを階級として組織してたたかいぬこう!