覇権を狙う中国もデフレと人口減少で大変、「銀髪経済」に

覇権を狙う中国もデフレと人口減少で大変、「銀髪経済」に

 トランプは、ソフトバンク・グループの孫正義らといっしょに記者会見し、AI(人工知能)のインフラ整備に78兆円という巨額の投資をおこなう、と発表した席上で、2月1日から中国にたいして10%の追加関税をかけることを検討している、と表明した。これは、中国の習近平政権への恫喝とゆさぶりである、と言える。

 この恫喝とゆさぶりが利くほどまでに中国経済もまた大変なのである。デフレと人口減少に規定されて、消費が低迷し、地方政府と諸企業は膨大な債務を抱えこんでいるのである。

 EV(電気自動車)を生産する自動車産業およびその鋼材を生産する鉄鋼産業では、膨大な生産設備が過剰となっており、国内と通常の輸出では製品をさばききれず、海外に採算割れの低価格で売りこんでいるのである。これが、アメリカ市場やヨーロッパ市場を荒らしているのである。このことは、地方政府の資本家的官僚とそれに連なる資本家が、中央政府によって定められた経済成長目標を達成しないことには自分の首が飛ぶことに脅えて、販路にはお構いなく、資金を借りて生産設備を建設し、EVや鋼材を生産していることにもとづくのである。

 それと同時に、かつてのように生産と消費をともに拡大しようにも、人口が3年連続減少しており、労働可能な年齢層の人びとはどんどん減っているのである。これを打開するために中国共産党の官僚は、「3人子政策」と称して党員に、3人以上子どもを産め、と指令しているのである。いまや中国は、「銀髪経済」におちいっており、習近平自身が「銀髪経済」を奨励しているのだ、という。

 若者は、もうあきらめきって寝そべって何もせず、働き盛りの者は、一人っ子政策によって一人っ子として大切に育てられ・わがままであり夫婦での生活ができず離婚がやたらに多く、もう銀髪になった老人だけが元気だ、ということなのである。この老人は、年金をもらい、デフレで物価が低迷しているので、消費も旺盛なのだ、という。これまで幼稚園であった建物は、老人が遊ぶ施設に改装され、老人が明るく元気に習い事をしているのである。

 もっとも、こういう生活は都市の老人だけができることであって、農村では、若いころに農民工として都市にでて働いた人たちが、徹底的にこき使われ搾取されたうえで、資本の過剰のゆえに首を切られて郷里にもどり、生活苦にあえいでいるのである。「未富先老」といわれて久しい。未だ富むことはなく・それよりも先に老いてしまった、鄧小平にだまされた、「先富論」(先に豊かになれる条件を整えたところから豊かになり、その影響で他が豊かになればよい)を唱えた鄧小平にだまされた、ということなのである。労働者たち・農民たちは、いま、習近平にだまされてはならない。

 このように、アメリカ帝国主義の後塵を拝して、帝国主義に成長したとたんに年老いた中国帝国主義国家が、世界におけるアメリカ国家の覇権を脅かしているのである。

 まさにこのゆえに、資本主義の最高発展段階として成立し・それが腐朽した帝国主義であるアメリカ、その国家権力者および独占資本家どもも、スターリン主義政治経済体制を解体したうえに形成された帝国主義である中国の国家権力者と官僚資本家どもおよび独占資本家どもも、必死なのである。両者の者どもは、ともに、自国の労働者たちの搾取と収奪と抑圧を強化することを基礎にして、抗争しているのである。

 全世界のプロレタリアートは、西側の帝国主義をも、東側の帝国主義をも打倒し、プロレタリア世界革命を実現するために国際的に階級的に団結しよう!