〔36〕 自分は物化されていると感覚すると、なぜ、自己を変革できないのか
労働者であるわれわれは、人格的に自由であり、生産手段をもたないがゆえに、自分の自由意志で、したがってまた、そうするより仕方がないものとして、自分の労働力を商品として資本家に売っているのである。自分自身がこのような自己から脱却するためには、現在自分がもっている意志そのものを否定しひっくりかえし、現在の自己の存在そのものを・だヵら・この物質的現実そのものを否定し変革するという意志を自己のうちに創造し、自分自身をあらゆる面において変革しなければならない。
ところが、自分は物化されているというように感覚すると、自己の意識では、自分は物であり、まだ人間ではなく、自由な意志をもっておらず、いま新たに、物であることを脱却し、人間たらんとし、人間性の回復という意志をもち、この意志を実現するための理論を新たに体得する、ということだけが問題となるのである。
