AIの導入から出発して、搾取の暴露へ、搾取の廃絶へ、と自分自身で展開するのはなかなか難しいのかもしれない
職場へのAI(人工知能)技術・ICT(情報通信技術)の導入ということから出発して、資本制的搾取の暴露へ、資本による労働の搾取の廃絶の意志へ、というように、自分自身で分析し暴露し展開していくのはなかなか難しいのかもしれない。組合員である労働者たちを革命の主体へと、すなわちマルクス主義者=共産主義者へと変革していくために、直接的現実から出発して、下向的にほりさげ、この現実を変革していくために何をなすべきなのか、ということを労働者たちとどのように論議していくのかについて構想するのはなかなか大変なのではないだろうか。
私は、このような気がしてきた。
AI技術・ICTの導入は直接的生産過程や事務部門などの主客両契機の技術化をなす。これは、資本制的な生産様式のよりいっそうの発展である。これは、必要労働にたいする剰余労働の比率を、すなわち搾取率をよりいっそうたかめるためのものなのである。このように分析しあばきださなければならない。そして、労働者階級はみずからを解放するために、労働者の労働が必要労働と剰余労働とに分かれることそのものを廃絶するのだ、ということを明らかにしなければならない。
では、労働者の労働が必要労働と剰余労働とに分かれるのはなぜなのか。それは、労働者がみずからの労働力を商品として資本家に売ったからである。この労働力の使用価値は価値の源泉であり、この労働力の使用価値の消費は価値の創造をなす。資本家は、みずからが買い入れた生産手段の使用価値とともに、労働力の使用価値を消費するのであって、これによって価値の増殖がおこなわれるのである。このようなものとして生産物を生産する労働の過程は、価値増殖の過程をなすのであり、資本の直接的生産過程をなすのである。資本が労働を吸収して自己を増殖するのが搾取なのである。したがって、この搾取を廃絶するためには、労働者は、みずからの労働力を商品として売るということそのものを廃絶しなければならない。
では、労働者がみずからの労働力を商品として売らなければならないのはなぜなのか。それは、労働者は生産手段をもっていないからである。資本家が生産手段を資本というかたちでもっているからである。労働者は生産手段を資本家に奪われたからなのである。したがって、労働者がみずからの労働力を商品として売らなければならないということそのものを廃絶するために、労働者は団結して、資本家から生産手段を奪い取らなければならない。資本家を、同じ労働者にしなければならない。こういうことを明らかにしなければならない。
では、労働者は生産手段を奪われたのはなぜなのか。これには歴史的根源がある。封建制の末期において、崩れかけた農業共同体というかたちで耕作していた農民は、当時の国家権力の暴力によって農地などのすべての生産手段を奪われ、鞭打たれ・額に烙印を押され・三度目には死刑に処せられるというかたちで賃金労働者、すなわちプロレタリアにされたのである。したがって、労働者階級はみずからを解放するために、生産手段を資本として集中して形成された資本家階級を打倒しければならない。こういうことを明らかにしていかなければならない。
われわれは、こういうことを構想して労働者たちや学生たちと論議していかなければならない、と私は思うのである。
われわれは、こういうことを構想する能力そのものを身につけなければならない、と私は考えるのである。
