外国人労働者排斥の動きと排外主義イデオロギーにかんする考察をほりさげるために
次のことを考える必要がある。
新たな極右勢力による外国人労働者排斥の動きを、労働者階級の分断を狙うものだ、とあばきだす。
そのうえで、さらに、参政党が掲げるところの、現代の排外主義のイデオロギー、すなわち、現代の日本ナショナリズムのイデオロギーを分析する必要がある。これは、国家統合のイデオロギーである。
日本の独占ブルジョアジーとしては、日本の帝国主義経済を成立させるためには、外国人労働者を導入しなければやっていけない。だから日本の国家権力としては、外国人労働者を導入するという政策をとる。と同時に、独占ブルジョアジーは、労働者階級にたいするみずからの階級的支配を強化し貫徹するために、参政党という新たな党をつかって、外国人と外国人労働者への敵愾心をあおり、労働者階級の内部で対立を引き起こさせることを追求する。これは、独占ブルブルジョアジーの統一指令部があって、このようにやっているのではない。そのなかのもろもろの勢力がバラバラにやっていることが、エンゲルスのいうところの合成力として働いてこうなる、ということである。
独占ブルジョアジーとしては、さまざまな利害をもち・いろいろと対立している諸階級・諸階層の人びとを、現存ブルジョア国家のもとに国民として統合するためのイデオロギーが必要となる。このようなものたらしめるものとして参政党がうちだしているのが、現代日本版の「血と土」のイデオロギー、すなわち、優秀な日本人と豊かな土地たる日本列島を心の支えとするイデオロギーである。戦前の天皇制国家の支配のもとでの人びとの暮らしと情感・情緒への郷愁に満ち満ちたイデオロギーである。参政党が言うところの、中国への侵略戦争を大東亜戦争として賛美し、これを遂行した天皇制軍国主義国家の再建を願う主張は、自民党の安倍派でも言えなかったし、言えないイデオロギーである。それを参政党が言っているということなのである。これは、戦後の親米右翼が言ってきたイデオロギーと異なる。反〈中国・ロシア・北朝鮮〉であると同時に、対米従属打破のイデオロギーである。「自虐史観」反対は、新しい歴史教科書をつくる会が言ってきたものである。
総体として、大東亜戦争なるものを賛美し、21世紀現代において、戦前の天皇制の軍国主義国家を再興する、というようなイデオロギーである。
ナチスは、「血と土」のイデオロギーのもとにユダヤ人を虐殺した。ムッソリーニのファシスト党は、左翼政党や労働組合を襲撃したということでは同じだが、そういうことをやらなかった。参政党をおしたてた日本の独占ブルジョアジーが狙っているのは、新たな天皇制ナショナリズムでもって在来の日本の人びとを統合し、これらの人びとを統合した国家のもとに外国人労働者たちを屈従させる、ということではないか。
以上のようなことをほりさげていく必要がある。だから、参政党のイデオロギーと現実そのものの分析をほりさげなければならない。
いまこそ、21世紀現代に天皇制軍国主義国家を再興しようとする勢力の分析をやらなければならない。