日経平均株価続落、2000円超下落。世界経済の雲行きが怪しい

日経平均株価続落、2000円超下落。世界経済の雲行きが怪しい

 

 8月2日の東京株式市場で日経平均株価が大幅に続落している。前日比の下げ幅は一時2000円を超え、3万7000円を下回った。取引時間中としては2月上旬以来の安値水準である。アメリカの景気が減速するという懸念からアメリカ株が急落した流れをうけて、東京市場でも全面安の展開となっている、といえる。終値は前日比2216円63銭(5・81%)下落の3万5909円70銭であった。

 8月1日の日経平均株価終値は、前日比975円49銭安の3万8126円33銭だった。

 これは、7月31日に日本銀行政策金利である短期金利の誘導目標を0・25%程度に引き上げることを決定したこと、そしてアメリ連邦準備制度理事会FRB)のパウエル議長が「9月には利下げを議論する可能性がある」とのべたことをうけて、円相場が上昇したことにもとづく。

 東京市場の1日午後5時の円のドルにたいする相場は、前日(午後5時)と比べて1円05銭円高・ドル安の1ドル=149円85~87銭だった。

 このことは、日本の自動車などの諸独占体が円安によっていかに暴利をむさぼってきたのか、ということをまざまざと見せつけたものであった。これらの独占資本家どもは、全世界の労働者たちの搾取と収奪をほしいままにしてきたのである。

 いま、パウエル議長の利下げの可能性の先の発言は、アメリカの景気の後退を深く懸念したものであった、ということがあらわとなったのである。日銀の利上げの決定も、いつ何時利下げに追いこまれるかわからない、利下げする余地をつくるために今のうちに利上げしておかなければならない、という脅えにもとづくものであった、ということができるのである。

 いまや、全世界の投機屋ども(金融諸機関・諸独占体・個人投資家など)は、「FRBの利下げが9月では手遅れになるのではないか」、と危機意識をあらわにしはじめているのである。

 このことは、独占資本家どもによるAI(人工知能)技術・IT(情報技術)を使っての相対的過剰人口の創出と労働者たちの搾取の強化が、金融市場への国家資金の投入とその増減の国家によるコントロールにもとづいて辛くもささえられていることを、端的にしめしているのである。今日の帝国主義諸国家、この国家の財政・金融政策が、独占諸資本が、プロレタリアの労働という生き血を吸って肥え太ることの絶対的な諸条件をなす。金融市場の動揺は、搾取欲にかられた独占資本家どもの、国家の財政・金融政策への盲目的対応の一露呈にほかならない。

 根本は、国家の諸政策を条件とする、独占資本家どもによる労働者たちの搾取の強化にこそある。

 全世界のプロレタリアートは、東西帝国主義の独占資本家ども・官僚資本家どもによる搾取と収奪と抑圧の強化を打ち砕くために、国際的に階級的に団結しよう!