ロシア帝国主義のウクライナ侵略と西の帝国主義の対抗措置を打ち破るために万国の労働者団結しよう!

ロシア帝国主義のウクライナ侵略と西の帝国主義諸国の対抗措置を打ち破るために万国労働者団結しよう!

 

 ロシアとウクライナの停戦協議がはじまった。だが、これは、ロシアが、ウクライナ軍の武装解除をせまるとともに、キエフを制圧するためにロシア軍の大部隊を動かす時間をかせぐものにほかならない。ロシア軍は、南部と北部の制圧地域を拡大している。

 アメリカ政府は、ロシア中央銀行アメリカに保有するドル建ての外貨準備を凍結する措置をとった。西ヨーロッパ諸国・EU(ヨーロッパ連合)・カナダも同様の措置をとった。日本政府もこれに追随して、ロシア中央銀行が円建てで日本銀行保有する数兆円の外貨準備の取引を制限した。

 こうして、買支えができなくなって急落したルーブルを防衛するために、ロシア中央銀行は、政策金利を、これまでの年9・5%から20%に引き上げた。

 ロシア最大の銀行ズベルバンク傘下のオーストリア子会社銀行が、預金の流出によって経営が破綻する恐れが出ている。

 原油価格は高騰し、WTIとブレントともに、1バレル=100ドル前後で推移している。

 イギリスの国際石油資本(メジャー)BPは、保有するロシア国営石油会社ロスネフチの株式19・75%分を売却しロシアから撤退する、と発表した。

 イギリスのシェルは、ロシアの国営ガス会社ガスプロムとの合弁を解消し、ロシア極東の石油ガス開発事業「サハリン2」から撤退する、と発表した。このことによって、この事業に出資している日本の三菱商事三井物産もまた態度を問われることとなった。

 原油天然ガスの価格はさらに高騰する、と予測される。

 この価格の高騰はロシアの経済を救う要因となるとしても、金融的および産業的の西の帝国主義諸国との分断のロシア経済への影響は甚大である、といわなければならない。これはまた、西の帝国主義諸国の経済にはねかえることになる。

 キエフを即座に制圧するというプーチンの目論見は崩れた。

 西の帝国主義諸国の経済的な制裁措置とその影響は、プーチンの思惑を超えるものである、といえる。このプーチンのロシアを習近平の中国がささえている。この両者の東の帝国主義国は、それぞれ大ロシア主義と中華ナショナリズムイデオロギーを流布しつつ、領土と勢力圏の拡張を、いまおしすすめかつ狙っているのである。

 米欧の帝国主義諸国は、ウクライナの現政権に武器を大々的に供与しているのであり、東西の帝国主義の軍事的・政治的・経済的抗争は、呻吟する労働者・人民を犠牲にし抑圧して、熾烈をきわめている。

 全世界で巻き起こっている、ロシアのウクライナ侵略阻止の闘いを、「領土保全」「現存秩序維持」というようなものに封じこめてはならない。そのような言辞は、西の帝国主義国家権力者が、自分たちが搾取し収奪し支配している労働者・人民をだまし自分たちの支持者として駆りだすイデオロギーなのである。

 ロシア帝国主義のウクライナへの軍事侵略とこれへの西の帝国主義諸国の対抗措置を打ち破るために、万国の労働者は団結しよう!