日本の核武装化を狙う野望、アメリカ高速炉計画への日本の参加反対!

日本の核武装化を狙う野望、アメリカ高速炉計画への日本の参加反対!

 

 <米高速炉計画 日本参加へ>と読売新聞が大々的に報じた(2022年1月1日)。

 この計画の実現への日本の参加は、現岸田政権をささえる安倍晋三らの政治エリートとそれにつながる日本独占ブルジョアジー内の潮流が、日本の核武装化の野望を抱いて、あくまでも核技術開発をおしすすめていく意志を貫徹したものにほかならない。彼らは、——日本の支配階級内の核技術開発に消極的な部分と対抗しながら、――世界の覇権の掌握を画策する習近平の中国によってアメリカ帝国主義がどんどん追いつめられていくという世界情勢のもとで、日米軍事同盟を強化するかたちにおいて日本を核武装化する機会を虎視眈々と狙っているのである。

 このような日本の核武装化の野望をうち砕こう!

 この高速炉開発は、マイクロソフトの創業者のビル・ゲイツが設立したテラパワー社とアメリカ・エネルギー省が計画したものであり、2028年にワイオミング州での運転開始をめざすという。これに日本原子力研究開発機構三菱重工業がその技術開発に協力し、高速増殖炉もんじゅ」の技術を提供するというものである。

 計画されているものは「高速増殖炉」と呼ばれるのではなく「高速炉」と呼ばれているように、「もんじゅ」のように核分裂しにくいウラン(ウラン238)をプルトニウムに変えて核燃料を増殖させる能力をもたない。燃料としては、濃度の高いウラン235を使う。その濃度は、5~20%というように、通常の原子力発電所の3~5%よりも格段に高いのである。安倍晋三らにとっては、日本がウラン濃縮技術を公然と持つためにも好都合であり、プルトニウムを使う核兵器だけではなく、ウランを使う核兵器の開発にも役に立つ、というわけなのである。しかも、「脱炭素」を叫ぶビル・ゲイツを表看板としておしだせば、イデオロギー的煙幕としても好都合だ、というわけなのである。

 この高速炉は「もんじゅ」と、冷却材としてナトリウムを使うということが同じであることからして、ナトリウムを循環させる配管技術を日本側は提供するのである。すなわち、「もんじゅ」を反面教師とするということであり、ナトリウムの爆発事故を起こしたその資料を提出して、そのようなことが起こらないようにするために日米双方で頭をひねり合う、ということである。

 とにもかくにも、安倍晋三らは、日本が核兵器を持つ日を待ちわびて、膨大なプルトニウムを持ちつづけ、核技術を開発しつづけるために必死なのである。

 日本の支配階級のこのような野望と策動をうち砕くために、労働者たち・勤労者たち・学生たちは、階級的に団結してたたかおう!