プーチン大統領、ウクライナ東部の親ロシア派支配権力を独立国家として承認

プーチン大統領ウクライナ東部の親ロシア派支配権力を独立国家として承認

 

 ロシアのプーチン大統領は、2月21日に、ウクライナ東部の一部の地域を支配する親ロシア派の権力——それぞれルガンスク人民共和国ドネツク民共和国を名乗る二つの権力——の独立を承認する大統領令に署名した。ロシア国家は、この二つの権力を独立国家として承認したのである。

 プーチンは、ウクライナNATO加盟を阻止するために、このウクライナに東側から軍事的圧力を加えるロシア軍を、この親ロシア派勢力が支配する地域にまで前進させる意志を明らかにしたのである。独立国家として承認したこの二つの権力とロシア国家が軍事同盟を結び、この地域にロシア軍を配置する、ということがそれである。

 すでに、ロシアは、ベラルーシへのロシア軍の配置を継続することを表明していた。この北と、南の黒海およびクリミア半島と、東から、ロシアはウクライナを軍事的に包囲していたのであったが、この東の前線をウクライナが自国領土を主張する地域にまで押し広げた、ということなのである。

 プーチンにとって、ウクライナの国家権力者にNATO加盟の意志を放棄させる手も、欧米諸国に、NATOを東方に拡大しないことを法的に確認させる手もない。だからと言って、ウクライナ国家権力の支配する地域にロシア軍を侵入させることは、あるいはキエフを制圧することは、ロシアの経済的破滅をまねきよせることを意味する。ロシアのこの国家権力者は、ウクライナ東部の一部の地域を奪いとり、軍事的圧力をよりいっそう強化しながら妥協を迫る以外にないのである。

 アメリカ政府および西ヨーロッパ諸国の政府は、ただちに、制裁の措置をとることを表明した。しかしもちろん、その措置は、ロシアがウクライナに軍事侵攻したばあいにとると表明していた措置とは異なる。欧米諸国の権力者にとっては、ウクライナのこの地域がプーチンのロシアに奪いとられることは、あらかじめ仕方のないものとしてあきらめていたものなのである。

 彼らもまた、プーチンに、経済制裁の脅しをかけ、ウクライナの近隣諸国に軍隊を配置しながら、対話を呼びかける以外に手はないのである。

 このような東西の国家権力者どもの抗争をその根底からうちやぶるために、全世界のプロレタリアートは、国際的に階級的に団結しよう!