軍事的敗北をのりきるために「動員令」でロシア人民を兵士として駆りだすプーチン政権を打倒せよ!

 軍事的敗北をのりきるために「動員令」でロシア人民を兵士として駆りだすプーチン政権を打倒せよ! 日本の労働者・人民は、ロシアの労働者、ウクライナの労働者と連帯してたたかおう!

 

 ウクライナ東部でのロシア軍の敗北にのりきるために、プーチン政権は、「部分的動員令」という名の徴兵命令を発し(9月21日)、いま続々と、ロシアの労働者・人民を兵士として駆りだし、前線に送る行動をくりひろげているのである。しかもこの政権は、ウクライナの東部および南部の占領地域を——住民投票をでっちあげ——ロシアに併合することを基礎にして、この地域の労働者・人民をもロシア兵として動員する策動をおこなっているのである。

 ロシアの各地では、この動員に反対し、人びとは、「戦争に反対!」「ロシアこそが侵略しているのだ!」と書いたプラカードを掲げて、反プーチンの行動に起ちあがった。これらの人びとを、ロシアの暴力装置は、狂暴に弾圧し、逮捕した。

 自分に徴兵令状がくるであろうことを知った人たちは、海外に脱出するために、航空券を買い、また車や自転車で国境に向かった。

 だが、この命令から逃れることができないことを察した多くの人たちは、「わがロシア国家をNATOの侵略から守るためには立派に戦って見せる」と心に決めて、わずか2~3日後の招集に応じた。

 ロシアの多くの労働者・人民は、ウクライナの人びとは同胞であり、戦う相手ではない、と思いつつも、プーチンとその政権の宣伝と煽動に汚染され、「NATOの侵略から自国を守る」というロシア民族主義の、すなわち西欧諸国への排外主義の意識を抱いているのである。

 反戦・反プーチンの行動に起ちあがった人たちは、「自国こそが悪いことをやっている。自分はプーチン政権にはくみしない」、という強い意志を抱いてはいるのであるが、ロシア民族主義を、ロシア祖国防衛主義を、どのように克服すべきなのか、ということの方向性をしめしえてはいないのである。このことは、彼らが、自分たちは賃労働者=プロレタリアなのであり、労働者階級として、ウクライナおよび世界各国の労働者階級と階級的に連帯し闘うのだ、という階級的意志をもちえていないことにもとづくのである。

 しかもまた、オリガルヒ(財閥の総帥)たちの強欲な搾取と収奪に憎しみを抱いた労働者たちは、「ロシアが資本主義になったからこうなった。ソ連の時代には明日食えるかどうかを心配することはなかった」、というように、自分が体験した・あるいは自分の親が経験した・過去を懐かしむ心情にもなっているのである。

 いまこそ、ロシアの先進的な労働者は、ロシアの今日をつくりだしたところの、すなわち現代ソ連邦を自己解体したスターリン主義そのものの誤謬と犯罪性を自覚し、ロシアにおいてプーチン政権を打倒しプロレタリアート独裁国家を樹立するための実体的基礎をなす反スターリン主義プロレタリア前衛党を創造するためにイデオロギー的=組織的にたたかうのでなければならない。

 われわれ日本のプロレタリア前衛党は、日本の労働者たちを組織し、ロシアの労働者たち、ウクライナの労働者たち、そして世界各国の労働者たちと国際的に階級的に団結してたたかうぞ!

 

安倍晋三を殺しても、日本の支配階級は「サハリン2」にしがみつく

安倍晋三を殺しても、日本の支配階級は「サハリン2」にしがみつく

 

 G7(主要7か国)の財務相は、9月2日に、ロシア産石油の輸入価格に上限を設ける措置を12月5日に導入することを合意した。

 これは、上限を超える価格の石油の海上輸送に保険会社が保険サービスを提供することを禁じる、というものであり、G7に同調しない国の保険会社が保険サービスを提供すれば、ザル抜けとなる。また、ロシアが、上限価格以下では石油を売らない、という対抗措置を実施すれば、大混乱が生じる。このような代物である。

 しかし、このことについては、ここでは、これ以上言及しない。

 ここでとりあげるのは次のことである。「サハリン2」から日本への石油の輸入にかんしては例外扱いとし、上限を超える価格で輸入することができる、としたことが、それである。

 これまでは「サハリン2」にかんしては、LNG(液化天然ガス)の輸入を、日本の政府・支配階級は問題としてきたのであったが、すでに、ロシア政府が設置した新たな会社に、三井物産三菱商事が参加を申請し認められた。日本の政府・支配階級は、あくまでも「サハリン2」にしがみついているわけなのである。

 ここで思い起こしてほしいのは、安倍晋三の暗殺についての分析である。インターネット上にあふれていたもののなかに、この暗殺はアメリカのネオコンがやったのだ、という時事解説があった。

 バイデン政権をささえるネオコンが、ロシアや中国に独自のルートをもつ安倍晋三を殺したのであり、対ロシア強硬路線をとるように日本の権力者・岸田を恫喝したのだ、岸田はそれに屈するだろう、しかし、いずれは、資源をもつロシア・中国の側が、西側帝国主義諸国にたいして優位にたつ、というのが、それである。

 私は、さまざまな論議において、この時事解説は、現実の下向分析が欠如したものであり、一定のシェーマを枠組み(実際は仮説)として設定し、そこから天下り的=演繹的に論じるものである、とし、このような論じ方を参考にすべきではない、それの真似をすると自分の頭をこわしてしまうことになる、と話してきた。

 安倍晋三の暗殺にかんしても、そして「サハリン2」をめぐっての、日本の政府・支配階級とロシアの政府・支配階級との抗争、および、前者と西側帝国主義諸国の政府・支配階級との抗争にかんしても、われわれは現実そのものを下向的に分析すべきなのである。

 

レーニンの「帝国主義戦争を内乱へ」の指針を現代的に適用しよう!

レーニンの「帝国主義戦争を内乱へ」の指針を現代的に適用しよう!

 

 われわれは、次のようなレーニンの「革命的敗北主義」「帝国主義戦争を内乱へ」の指針を、二一世紀現代における帝国主義戦争の今日的形態のもとでの各国の物質的諸条件および階級情勢の分析に立脚して現代的に適用し、それぞれの国における・ロシアのウクライナ侵略阻止の闘いおよび革命闘争の指針を解明するのでなければならない。

 「……プロレタリアートの口を完全にふさぐために、ブルジョアジーが戦時法を利用しているので、プロレタリアートは、煽動と組織の非合法形態をつくりだすという無条件の任務に直面している。日和見主義者は、自分の信念を裏切るという代価をはらって、合法組織を「まもる」がよい。だが、革命的社会民主主義者は、社会主義のための危機の時代にふさわしい、非合法闘争形態をつくりだすために、また自国の排外主義的ブルジョアジーとではなく、すべての国の労働者と結合するために、労働者階級の熟達した組織能力と組織上のつながりとを利用する。プロレタリア・インターナショナルはほろびはしなかったし、またほろびはしないであろう。労働者大衆は、あらゆる障害をのりこえて、新しいインターナショナルをつくりだすであろう。日和見主義のいまおさめている勝利は、ながくはつづかない。戦争の犠牲が大きくなればなるほど、日和見主義者が労働者の大業を裏切っていること、それぞれの国の政府とブルジョアジーに武器をさしむけなければならないことが、労働者大衆にはますますはっきりしてくるであろう。

 現在の帝国主義戦争を内乱に転化せよということは、コンミューンの経験によって指示され、バーゼルの決議(一九一二年)がその輪郭をしめし、高度に発達したブルジョア諸国間の帝国主義戦争のすべての条件から出てくる、ただ一つ正しいプロレタリア的スローガンである。このような転化の困難が、ある時期にはどんなに大きくみえようとも、社会主義者は、戦争が事実となった以上は、この方向をめざして系統的に、ねばりづよく、ひたむきに準備活動をすすめることをけっしてやめないであろう。

 ただこの道によってはじめて、プロレタリアートは、排外主義的ブルジョアジーへの従属を脱することができ、諸国民のほんとうの自由への道と社会主義への道を、形はちがい、速度のちがいはあっても、断固としてすすむことができるであろう。

 あらゆる国のブルジョアジーの排外主義と愛国主義に反対する労働者の国際的友愛万歳!

 日和見主義から解放されたプロレタリア・インターナショナル万歳!

      ロシア社会民主労働党中央員会」

 (「戦争とロシア社会民主党」一九一四年九月二十八日以前に執筆——『レーニン全集』第二十一巻、大月書店版、一九~二〇頁)

 

帝国主義戦争の二一世紀的形態

帝国主義戦争の二一世紀的形態

 

 現下のウクライナにおける戦争は、中国に経済的にささえられたロシアのウクライナへの軍事侵略と、米欧日の帝国主義諸国から兵器を供与されたウクライナの軍事的反攻という形態をとっている戦争である。

 ロシアおよび中国は、スターリン主義官僚専制国家が転化したところの——すなわちその政治経済構造がスターリン主義政治経済体制の解体のうえにうちたてられた国家資本主義をなすところの——帝国主義国家である。アメリカ・西ヨーロッパ諸国および日本は、従来からそうであったところの帝国主義国家である。ウクライナは、現代ソ連邦を構成していた一共和国、したがってスターリン主義政治経済体制をとっていたそれが転化したところの資本主義国家である。それぞれの国家は、それがたどってきた歴史的過去に規定されてさまざまな政治支配の形態ないし統治の形態をとっているけれども、場所的には、その国家の本質はブルジョアジー独裁をなす。

 したがって、現下のウクライナにおける戦争は、帝国主義戦争の二一世紀的形態をなす、といわなければならない。

 われわれはこの認識に立脚して、「革命的敗北主義」「帝国戦争を内乱へ」というレーニンの原則を、今日的に、各国の階級情勢の具体的分析にふまえて適用し、反戦闘争および革命闘争の指針を解明するのでなければならない。

 

 

 

全世界の労働者階級・人民は国際的に階級的に団結してたたかおう!

全世界の労働者階級・人民はプロレタリア・インターナショナリズムにもとづいて、国際的に階級的に団結してたたかおう!

 

 

 

雨にぬれたサボテンの花――対象的現実の分析の方法を考察しよう

 これは、きのうの朝に撮った写真である。

 大きいほうのサボテンがまたまたまた花をつけた。雨にぬれているのもきれいだった。

 

 これは、静止した写真である。

 たとえ動画であったとしても、その映像を見て、その映像が撮られる対象となった現実そのものを分析するのは難しい。

 安倍晋三殺害という現実である。

 われわれは対象的現実をどのように分析すべきなのか、その方法を考察しよう。