これはおもしろい! 習近平の「太子密建法」という歴史的アナロジー

これはおもしろい! 習近平の「太子密建法」という歴史的アナロジー

 

 「日本経済新聞電子版」に載っていた歴史的類推がおもしろかったので、ここに引用する。

 <約300年前の清朝の時代。当時の皇帝である雍正帝は後継の名前を紙に記し、玉座の背後にかかる「正大光明」と書かれた額の裏に隠した。後継者は臨終の間際まで明かさなかった。激しい跡目争いを見てきた雍正帝は、後継者である太子をひそかに決めておく「太子密建法」を編みだし、清朝の安定につなげた。習氏も、後継者を明示しないことで忠誠を競わせようとしている、との見立てだ。>

 習近平が「後継者を明示しないことで忠誠を競わせようとしている」という分析については、私もそう思うが、後継の名前を記した紙を額の裏に隠した、というのは、そうではないであろう。習近平は、後継者をまだ決めていないであろう。そして、臨終の間際になっても決めないであろう。

 習近平は、スターリン主義者でも「ネオ・スターリン主義者」でもなく、資本家的「党=国家」官僚なのであるが、かつてスターリン主義者であった時代に身につけたスターリンの手法を自分の体と心と頭に染みわたらせており、自分の地位を脅かしかねない人物を切って捨てたのだ、と言える。