現地の支配体制はそのままにしたうえで軍事力によって資源を奪うアメリカ国家の帝国主義政策

現地の支配体制はそのままにしたうえで軍事力によって資源を奪うアメリカ国家の帝国主義政策

 

 21世紀現代におけるアメリカ国家のこの帝国主義政策の分析を、われわれはほりさげなければならない。

 トランプ政権は、ベネズエラの大統領を軍事的に拉致し、現地の支配体制はそのままにしたうえで、軍事力によって海上を封鎖し石油タンカーを拿捕して原油の輸出を不可能にし、トップが代わっただけのロドリゲス政権から石油の販売権を奪ったのである。

 これが、21世紀現代におけるアメリカ国家の帝国主義政策の貫徹なのである。これは、現地の支配体制をそのままにして、資源を軍事的に強奪するという形態なのである。

 アメリカ帝国主義国家は、アフガニスタンにおいても、イランにおいても、軍事力を投入して反米国家をたおしたけれども、現地を軍事的に占領し、親米国家をうちたてることはできなかった。

 スターリン主義国家から転化した中国帝国主義に経済的に追いつめられているという物質的諸条件のもとでは、衰退したアメリカ国家は、狙った現地を軍事的に占領するだけの軍事力を投入することも、それに必要なだけの国家財政資金を支出することもできないのである。ここに、トランプ政権は、自国軍が主導権をもちやすい比較的に近隣の西半球の諸国に照準をあわせて、現地の支配体制をそのままにしたうえで、軍事力によって資源を強奪する、という形態をあみだしたのである。

 トランプ政権は、ロドリゲス政権から強奪した原油を、あまっている設備をもつアメリ東海岸の重質油用の製油所で精製するとともに、これまでベネズエラの重要な顧客であった中国にも販売して利益を得ることを狙っているのだ、といえる。奪った重質油から得た利益の一部をロドリゲス政権に渡すというわけなのである。

 トランプ政権は、マドゥロその人を拉致しただけであって、その支配体制そのものを転覆することはできないのである。

 それは、ベネズエラでは、キューバ型の「社会主義」を掲げた勢力が、アメリカの独占資本によって搾取され収奪されて貧民層に突き落とされた人びとを抱きこみ、これらの人びとを基盤として国家権力者の座に就き、アメリカの巨大石油独占資本が所有する設備を国家のもとに接収=収奪するとともに、これとつながり甘い汁を吸ってきた資本家とその他の階層の人びとを徹底的に弾圧し国外に追放して、国家資本主義的な経済形態をとり、強権的な支配体制を敷いてきたことにもとづくのである。この強権的な政権は、原油の輸出によって得た利益の一部を、貧民層のわずかの食い扶持のために使ってきたのだからである。アメリカ国家は、この経済形態と支配体制を軍事力によってこわすことはできないのである。その試みは、貧民層の猛烈な抵抗と反乱をよびおこすのだからである。

 われわれは、このようなことがらをほりさげて分析していかなければならない。

 われわれの感性と論理的な力を研ぎすまして分析していこう!