コメの価格は下がるか。価格帯の三層構造ができるが……
政府は、希望小売価格・税抜き2000円で、古い備蓄米の・大型小売業者との売渡契約(随意契約)を開始した。
これによって、コメの価格帯の三層構造、銘柄米・これまでの放出米・今回の放出米という三層構造ができる。問題は、第三の価格帯のコメの出現によって第一の価格帯たる銘柄米の価格の暴落ないし値崩れが起きるのか、ということである。
この状況は、かつて中国から激安の衣料品が入ってきたときの衣料品の価格帯の二重構造と類推することができる。このときは、日本製品の値崩れは起きず、価格帯の二重構造が維持されたまま日本製品は負けた。これは、中国製品がどんどん生産され輸入されて、日本の市場を制圧したからである。このばあいには、日本製品は負けても、高級品として残った。
今回の備蓄米の放出は、中国製品の輸入ほどの迫力はない。備蓄米は、どんどん生産されるのではなく、蓄えられていたものが放出されるだけであり、量に限りがあるからである。
だが、他面では決定的なちがいがある。
衣料品のばあいには、中国製品は中国の労働者を搾取してつくられ、日本製品は日本の労働者を搾取してつくられており、両者の価格の違いは、それぞれの国の労働者の搾取のし方と度合いの違いにもとづくのであって、ともに生産費を反映していたのである。
これにたいして、今回のコメの価格の高騰は、一方では農家はコメを買いたたかれ、他方では労働者たちは高価格のコメを買わされて、両者ともに収奪されているのである。カネはどこにいったか。流通業の資本家どもに、である。コメの流通業者や・にわか流通業者、すなわち、流通業の資本家どもが、コメを買いあさり、買い占め、売り惜しんで、コメの価格を釣りあげ、たんまりと儲けたのであり、儲けているのであり、儲けるためにコメをためこんでいるのである。これまで放出された備蓄米も、コメ資本家どもは、銘柄米の値崩れが起きないように、放出米を買い占め、これの流通を滞らせてきたのである。すべて、資本家どもが悪いのである。本来は、労働者たちが団結して、資本家どもからすべてを収奪してしまえばいいのである。しかし、これはすぐにはいかない。
政府が希望価格2000円のコメを放出したことを要因として、ドンキホーテなどの小売業の資本どもがこれに群がった。彼らは、自企業の名前を売り・客を引きつけるためにこのコメを活用することを目論んでいるのである。政府が自社の名前を公表し、マスコミがこれをニュースとして流してくれるのだからである。救いの騎士・庶民の味方になれるのだからである。これほど広告料がいらず、宣伝効果のあるものはない。
ここに、これらの小売業の資本家どもと、にわかコメ業者をふくむ・コメの流通業の資本家どもとの競争が起きるのである。ここで、後者のコメ流通業の資本家どものなかで、ヤバイ、と感じる者がでてくるかどうかである。いまがコメの最高値だ、ここで・この最高値のうちに・ためこんだコメを売り抜けて(売りさばいて)たんまり儲けよう、と考える・眼の利く業者がでてくるかどうかである。これは、株価の永遠の上昇を願望している投機屋どもの心理と同じである。1929年のアメリカでの株価暴落のときには、ほとんどの投機屋どもは、この永遠の上昇を信じていて、財産をすべてなくした。ジョン・F・ケネディの父親だけが、これの直前に株を売り抜けて、たんまり儲けた。帝国主義的平和主義者ジョン・F・ケネディはこのカネを元手にして大統領になったのである。
資本家どもの世界はこんなものである。
労働者たちは目先のこととしては、資本家どもの蹴落としあいを待つ以外にない。問題は、労働者たちが、すべての資本家どもを打倒するために、みずからを階級として組織し、階級的団結を創造し強化することにある。
階級的に団結するためにがんばろう!