アメリカを身の丈にあった並みの帝国主義にするための策動、その狙いは労働者の搾取の強化だ!

アメリカを身の丈にあった並みの帝国主義にするための策動、その狙いは労働者の搾取の強化だ!

 

 アメリカ国家権力者トランプの「相互関税」という名の高関税政策の発表に投機家ども(金融諸機関・諸独占体・個人投資家など)が反応し脅えて、全世界的規模において株価が急落した。日米欧で、株式の時価総額で約500兆円が1日で消失した。

 4月3日のニューヨーク株式市場では、ダウ平均株価は終値で前日比1679・39ドル(4%)安の4万545・93ドルとなった。

 東京市場では日経平均株価が、3日に前日比989・94円下落し3万4785・98円となったのに引きつづいて、4日には955・35円(2・3%)安の3万3780・58円となった。

 トランプその人は、この「相互関税」措置を、「今日はアメリカの解放の日だ。われわれは他の国ぐにから搾取されてきた」と、さも得意げに発表したのだった。株価の下落も、まったく気にかけていない。この関税措置によって、世界の諸企業の投資はアメリカ国内になされ、アメリカの製造業は復活する、というわけなのである。

 これは、アメリカは、世界の警察官であることをやめるとともに、世界の各国からの諸製品を低い関税でアメリカ国内にうけいれて世界経済を支えることをやめる、ということなのである。これは、アメリカは、世界の覇権国の地位を挽回するために努力するのをやめて、身の丈にあった並みの帝国主義国として、東側帝国主義の雄である中国ばかりではなく、西側の帝国主義国である日本やEU諸国、そしてあらゆる資本主義諸国と、血で血を洗う帝国主義的争闘戦をたたかいぬくぞ、ということの、アメリカ帝国主義国家権力者としての意志表明なのである。

 このことを国家意志とせざるをえないほどまでに、アメリカの帝国主義経済は危機である、といわなければならない。関税を引き上げて世界の資本をアメリカ国内の呼びこむのだ、と大統領が言うまでして、ラストベルトの白人労働者たちやその他の労働者たちをだまさなければならないほどまでに、アメリカ経済は危機なのである。

 労働組合の指導部をにぎる労働貴族どもをつかって「アメリカの繁栄のために」という言辞のもとに労働者たちをだましてこき使ってきただけではすまず、もっともっと「アメリカの解放」を掲げてだまし、労働者たちの労働という生き血を吸いつくさないことには、アメリカの独占資本家どもは生き延びることはできない、ということなのである。

 まさにこのゆえにこそ、アメリカの独占資本どもの利害を体現する国家権力者トランプは、あらゆる国に高関税を課すことを打ちあげたのである。もしも、ベトナムやタイやカンボジアやまたラオスなどに課税するのをおこたるならば、中国や日本などの諸独占体が、そこに資本を移し現地企業を設立して、そこからアメリカに輸出することを企てるであろうからである。トランプは、あらゆる穴をふさいだのだ。

 世界各国の一定部分の国家権力者どもが報復的にアメリカへの関税を引き上げることを計画しているのに反して、日本の国家権力者と独占資本家どもは、報復措置を何ら表明していない。「関税の日本への適用除外実現に総力をあげる」ことを叫んでいるだけである。彼らには、こんなことを実現することはできないことはわかりきっている。報復措置をとれば余計に損する、というように計算高いのが、彼らが権力者・資本家として自負するところなのである。

 彼らは、アメリカの国家権力者・独占資本家どもと対抗するために、アメリカのこれらの連中よりも数段うわまわるかたちで、日本の労働者たちをこき使い、その生き血を吸い取ることを狙っているのである。関税を回避することを狙ってアメリカに資本を輸出するために、そしてたとえ関税がかかろうとも価格を安くしてアメリカに製品を輸出するために、労働者たちの人数を徹底的に削減し、労働強度の強化と長時間労働を強制し、賃金を安くする(初任給をひきあげて人材を確保するとともに、物価をつりあげて実質賃金を低落させるというかたちで)ことを、日本の国家権力者と独占資本家どもは目論んでいるのである。これが、彼らのトランプへの対抗策なのだ!!

 このようなアメリカ政府、日本政府および各国の政府、そしてあらゆる独占資本家どもの策動をうち砕くために、全世界のプロレタリアートは、国際的に階級的に団結してたたかおう!