アメリカは日本を守っているのだから日本はアメリカを守れ、とトランプが要求。これは石破の持論と同じだ!
アメリカ大統領トランプは、「われわれは日本を守らなければならないが、日本はわれわれを守る必要がない」と言って、日米安全保障条約の内容に不満をあらわにした。これは、われわれアメリカは日本を守っているのだから、日本もアメリカを守れ、と要求したものにほかならない。すなわち、日米安保条約を双務的なものとせよ、ということなのである。これは、日本の首相・石破茂が、首相の座に就く前に主張していた、日米安保条約を対等なものとする、という持論と内容上同じである。
トランプがこのようにのべたのは次のような脈絡においてである。
トランプは、3月6日、ホワイトハウスで記者団にたいし、ヨーロッパのNATO加盟国の国防費の支出について「まったく不十分だ」と非難するとともに「彼らが払わないのであれば私は彼らを守らない」と語った。この話のなかでトランプは日本についても言及し、「日本を好きだし、日本とはすばらしい関係にある。しかし、日本との間には興味深いディールが存在する。われわれは日本を守らなければならないが、日本はわれわれを守る必要がない。直接は関係しないが、日本はアメリカとの間で経済的に富を築いた。しかし、いかなる環境においても日本はわれわれを守らなくてよいのだ。いったい誰がこんなディールを結んだのか」とのべて、日米安全保障条約の内容が不公平だ、と指弾したのである。
これは、「グァム島やアメリカ本土を攻撃するための北朝鮮のICBM(大陸間弾道弾)の基地を先制的に壊滅させるだけの軍事力を日本国家は持て」、「中国が、台湾を占領するために軍事的にうってでるさいに・ハワイのアメリカ軍司令部やアメリカ第7艦隊を攻撃するための中国軍基地を先制的に破壊するだけの軍事力を日本国家は持て」というように、アメリカ国家権力者トランプが要求したものにほかならない。こうするのにふさわしいように日米安保条約を改定しよう、ということなのである。
これは、日本の国家権力者・石破にとっては渡りに舟である。この権力者は、日本独占ブルジョアジーの利害を体現して、衰退するアメリカ国家をささえるかたちにおいて日本国家が世界に雄飛する、という日本ナショナリズムを内と外に貫徹することを狙っているのだからである。
日本の支配階級は、中国・ロシアの東側の帝国主義陣営に対抗して、衰退するアメリカ国家を補完し西側の帝国主義陣営の連携を再編し強化していくかたちにおいて日本国家の地位をたかめていくためには、労働者たちから労働という生き血をよりいっそう強力に吸い取ることを基礎にして、軍事力を飛躍的に増強し、日米軍事同盟を対等なものとして強化していかなければならない、と考えているのだからである。
このように労働者の搾取と軍事力の増強を策す日本帝国主義国家権力を、労働者階級の団結の力で打倒しよう!
全世界のプロレタリアートは、労働者たちの搾取と収奪と抑圧の強化を基礎にして抗争する西と東の帝国主義を打倒するプロレタリア世界革命を実現するために、みずからを階級として組織し、国際的に団結しよう!