孫正義にベッタリ依存する石破の対トランプ政権交渉戦略
日本の国家権力者・石破は、2月7日にワシントンで開かれるアメリカのトランプ大統領との首脳会談で、生成AI(人工知能)の研究開発での協力を表明することを目玉にする意向を固めた。トランプは、1月に「AI分野でのアメリカの優位を維持し、強化する」とした大統領令に署名したのであったが、中国の新興AI企業ディープシークの台頭に揺さぶられているからだ。
石破は、3日に、ソフトバンクグループ(SBG)の領袖・孫正義およびアメリカのオープンAIの最高経営責任者(CEO)サム・アルトマンと首相官邸で面会し、彼らにすり寄った。孫正義とサム・アルトマンは、先日、トランプとともに記者会見し、アメリカのAI関連のインフラ整備にたいして5000億ドル(約78兆円)の投資をおこなうことを表明した人物であるからだ。
この日、孫正義と・来日したサム・アルトマンとは、都内で、法人向けに先端AIを提供するためにソフトバンクグループとオープンAIとで合弁会社を設立する、と打ちあげて見せたのであった。オープンAIの技術を使い、導入企業のデータを学習させて仕様を調整し、その顧客企業の用途に応じて専用のAIを開発し、AIがみずから判断して複数の業務をこなす「AIエージェント」機能をも提供するのだ、という。孫正義は「大企業向けの最先端AIを、世界で初めて日本から提供し始める」と胸を張った。
新会社は「SBオープンAIジャパン」。SBGとオープンAIとが50%ずつ出資する。
これよりも前に、SBGはオープンAIに最大250億ドル(約3兆8750億円)を追加出資することで協議に入ったことがわかった、と報道されている(「日本経済新聞」1月30日)。
SBG・オープンAI連合が結成されたのである。
だが、トランプと石破がともども期待を寄せるこの連合の船出は順風満帆ではない。中国のディープシークの脅威が迫っているからである。
ディープシークのAIモデルは、その技術を公開し誰でも利用できる「オープンソース」という形態で提供されており、世界中の誰もが手を出す誘惑にかられるものであって、その浸透は、オープンAIやSBGなどが5000億ドルを出資しておこなうトランプ肝いりのAI開発事業「スターゲート計画」のようなアメリカ側の閉鎖的な開発体制を足元から揺るがすものとなるのである。オープンAIは、その会社名に「オープン」と冠していても、その技術を「オープンソース」の形態で公開し・誰にでもその技術を改変して使えるようにしているのではなく、その技術の開発を自社内に閉じこめ秘密にするという閉鎖的な形態をとっているのである。
米・日帝国主義と中国帝国主義とは、労働者たちを徹底的搾取するために、このAIの開発を急ぎ、抗争しているのである。
双方の国家権力者どもおよび独占資本家どもは、資本の直接的生産過程や、運輸・通信部門などの・流通過程に延長された生産過程や、そして種々の事務部門や、さらにインターネットサービス商品をふくむ・さまざまなサービス商品の生産過程において、これまで働いてきた労働者たちを極限的にまで削減し、これからその労働過程において労働にたずさわる労働者たちをうつ病や過労死に追いこむまでにこき使うために、AIの開発と導入を急いでいるのである。
労働者たちは、このようなAIの開発と労働過程への導入をうちくだくために、階級的に団結してたたかおう!
AIの開発と種々の労働過程への導入は、西と東の国家権力者どもと独占製本家どもの死活にかかわる。だから、彼らは必死である。まさにこのゆえに、彼らにたちむかうために、全世界のプロレタリアートは、西側と東側の帝国主義諸国家権力そのものを打倒しなければならない。
労働者たちは、自分たち労働者階級を解放することを意志しよう!
全世界のプロレタリアートは、プロレタリア世界革命を実現するために、みずからを階級として組織しよう!