軍事技術の開発に狂奔する日本帝国主義とイタリア極右メローニ政権とイギリス・ガタガタ政府

軍事技術の開発に狂奔する日本帝国主義とイタリア極右メローニ政権とイギリス・ガタガタ政府

 

 日本・イギリス・イタリアの三か国による次期戦闘機の共同開発事業を管理する政府間機関「GIGO(ジャイゴ)」の岡真臣・首席行政官が読売新聞のインタビューに答えて、「次期戦闘機の共同開発は、欧州の同志国との防衛協力に重要だ」と強調した(読売新聞2025年1月19日)。「できるだけ遠方で敵の航空機やミサイルに対処することが重要だ。より高度なステルス性や無人機と連携した空戦能力も必要だ」、と発言した。

 これは、中国・ロシア・北朝鮮にたいして西側帝国主義陣営の先端にたつ帝国主義国日本として、軍事技術開発の意志を露骨にしめしたものにほかならない。と同時に、この軍事技術の開発は、最先端のIT(情報技術)およびAI(人工知能)技術そのものの高度化をはかるためのものでもある。この点については、極右として世界で最初に国家権力の座に就いたメローニのイタリアの政権も、極右勢力に揺さぶられたガタガタのイギリスの政権も、利害が一致するのである。

 この三か国の政府は、産油国サウジアラビアをこの共同開発に加えるかどうかということをも検討しているのである。

 この技術開発事業は、トランプがアメリカの国家権力の座に就くことを条件として、新たな決定的に大きな意味をもつにいたった。

 トランプは、世界の覇権を奪おうとする中国に対抗するために、没落したアメリカの起死回生の望みを最先端の高度技術の開発に託す、と同時に、既存の製造業にかんしては関税障壁で守り、また国際競争力を増すためにエネルギー源を石油・天然ガスに重点を移す、それでも生活苦によりいっそう突き落とされる労働者たちの不満を抑えこむために・移民を排斥する排外主義のイデオロギーを流布する、ということを目論んでいるのだからである。

 トランプは、バイデンが退任演説で「オリガルヒ」(新興財閥)と非難した巨大高度技術企業を種々の規制から解き放ち・よりいっそう膨張させるために、まさにそのオリガルヒの雄イーロン・マスクを「政府効率化省DOGE(ドージ)」の共同トップに据えた。イーロン・マスクは、「アメリカという巨人を解放する。長い間、アメリカはガリバーのように何百万もの糸で地面に縛られてきた」、と叫んだ。彼は、自分が暴利をむさぼるために、自動運転技術やロケット開発などの規制の緩和自体をも狙っている、と言える。

 西側帝国主義陣営内部においてこのアメリカと対抗するためには、日本もイギリスもイタリアも、高度技術開発に狂奔しないわけにはいかないのである。日本政府は半導体企業の誘致に必死なのである。

 メローニを先頭とするヨーロッパの極右勢力は、移民を出身国に送還することを主張し、排外主義をあおりつつ、同時に、高度な技術開発力をもつ移民の労働者=技術者にかんしては厚遇することを明らかにしているのである。

 また、「掘って掘って掘りまくれ」と叫び、エネルギー政策を転換することをうちだしているトランプのアメリカと競争していくためには、日本・イタリア・イギリスの三か国の政府は、巨大産油国であるサウジアラビアを抱きこむことがどうしても必要なのである。ヨーロッパ各国の独占ブルジョアジーは、いまやロシアの天然ガスが一刻も早く欲しいのであり、各国の極右勢力は、自国の独占ブルジョアジーの利害を体現して、早くウクライナ戦争を停止しロシアから天然ガスを買うことを主張しているのである。

 メルケルがドイツの首相であった時代から捉えかえすならば、このときには、ヨーロッパ各国の国家権力者と独占ブルジョアジーは、自国の経済的発展をはかるために、中国との経済的関係を強化し、またロシアから安い天然ガスを買う、とともに、軍事的にはロシアの脅威を取り除くためにNATOを東方に拡大する、ということを追求してきた。だが、この甘い希望は見事に破綻した。中国とロシアとは、帝国主義国に発展していたのである。西側帝国主義陣営の盟主アメリカは、帝国主義中国に経済的に敗北した。NATOの東方拡大に脅えて狂乱化した帝国主義国ロシアは、ウクライナへの軍事侵略にうってでた。アメリカもヨーロッパ諸国も、ウクライナのゼレンスキー政権への軍事的支援によって、経済的に疲弊し、下層労働者は生活のどん底に突き落とされた。中国はロシアを経済的にささえた。頼みのインド・ブラジルなどのグローバル・サウス諸国は、西側帝国主義陣営につくことはなく、東西の両陣営の諸国と関係をたもって、甘い汁を吸った。

 ここに、トランプが、窮乏化した労働者たちをだまして再登場したのであり、このトランプがイーロン・マスクをつかって、ヨーロッパ諸国の極右勢力と手を組んだのである。

 経済的に疲弊し危機におちいり、いまや極右勢力をみずからの利害の体現者としたヨーロッパの独占ブルジョアジーと、トランプを国家権力者の座につけたアメリカの独占ブルジョアジーとは、競争と対立と抗争をはらみつつ、東側帝国主義国中国に対抗するために、利害の一致を見いだしたのである。最先端の高度な技術を必死で開発しなければならない、という点において。ウクライナのゼレンスキー政権への支援に国家資金をつかっていられない、という点において。そして、自分たちが生活苦のどん底に突き落とした下層労働者たちをだまし支配しつづけるためには、移民排斥の排外主義のイデオロギーを鼓吹し貫徹しなければならない、という点において。これは、日本の国家権力者と独占ブルジョアジーにとっても同じである。

 だがもちろん、この利害の貫徹は、西側帝国主義陣営内部のこれらの諸国の抗争の激化をも意味する。高度技術の開発を相互に競い合わなければならず、エネルギー源を何にもとめ・どこからどのように手に入れるのかをあらそわなければならず、アメリカの関税障壁の構築をめぐって衝突しなければならず、そして、排外主義のイデオロギーはそれぞれの国の独自のナショナリズムをなすのであって、各国の国家権力者は「自国第一」主義のナショナリズムを内と外に排外的に貫徹するのであり、この貫徹は相互の激突となるのだからである。

 全世界のプロレタリアートは、各国の国家権力者どもによるナショナリズムの貫徹をうちやぶり、独占資本家どもによる搾取を廃絶するために、プロレタリア・インターナショナリズムの立場にたって国際的に階級的に団結してたたかおう!

 東西の帝国主義諸国家権力と一切の資本主義国家権力を打倒して、プロレタリア世界革命を実現するために、みずからをプロレタリア階級として組織しよう!