「グローバル・サウス」という語の流布にしめされる西側帝国主義諸国家権力者の焦燥と〝組織戦術〟

「グローバル・サウス」という語の流布にしめされる西側帝国主義諸国家権力者の焦燥と〝組織戦術〟

 

 日本の国家権力者・岸田は、G7広島サミットに、西側帝国主義陣営に属するウクライナおよび韓国、オーストラリアとともに、「グローバル・サウス」と呼ばれる国ぐにのうち、インド(G20議長国、BRICSの構成国)、ブラジル(G20来年の議長国、BRICSの構成国)、コモロアフリカ連合議長国)、クック諸島太平洋諸島フォーラム議長国)、インドネシアASEAN議長国)、ベトナム(中国とは南シナ海の領有権をめぐって対立すると同時に経済的つながりの強い国)の6か国を招待した。

 ロシアのウクライナ侵略の開始からしばらく後に、ブルジョア的宣伝や報道記事から、「BRICS」という語が消えるとともに、「グローバル・サウス」という語が前面に登場した。

 これは、インド、ブラジル、南アフリカの三か国をロシア、中国といっしょに並べたくない、という西側の独占ブルジョアジーとそのイデオローグの意志にもとづく。と同時に、西側帝国主義諸国が提唱したロシアへの経済制裁措置に同調せず、西側帝国主義諸国にいい顔を見せて利益を得るとともに、中国に依存しつつ対露制裁措置の抜け道にもなる、という国ぐにが多く存在する、ということを世界の中小の諸国の権力者と人びとの目から隠しとおせなくなり、これらの国ぐにを抱きこむ策を弄することを、西側帝国主義諸国家権力者と独占ブルジョアジーが公然と打ちだす以外になくなった、ということにもとづくといえる。

 ようするに、西側帝国主義諸国家権力者の、ロシアと中国だけを孤立化させるという政策が失敗に帰し、彼らが焦燥に駆られている、ということである。相対立する、西側帝国主義陣営と東側帝国主義陣営と、この両者から距離をおき・その両方から甘い汁を吸おうとする多くの国ぐにというように、世界が三極に分解している、という認識に立って、第三の国ぐにを抱きこむ策、いわばその組織戦術をねりあげ実施する、という行動を、西側帝国主義諸国家権力者が、現在のウクライナ戦争の局面の物質的諸条件のもとで開始したことが、「グローバル・サウス」という語が流布されていることを規定しているものなのである。

 この策の現実的貫徹が、「グローバル・サウス」6か国の広島サミットへの招待なのである。

 自国の労働者・勤労者の搾取と収奪と抑圧を強化することを基礎にして抗争をくりひろげる西側帝国主義諸国、東側帝国主義諸国、そして「ブローバル・サウス」諸国の、それぞれの国家権力を打倒するために、全世界のプロレタリアートは国際的に階級的に団結しよう!