ネアンデルタール人はコロナウイルスで絶滅した——私の頭をよぎった空想

ネアンデルタール人コロナウイルスで絶滅した——私の頭をよぎった空想

 

 緊張した頭を休めるために、ここで空想話を一つ。

 今回、ノーベル生理学・医学賞を受賞した学者は、ネアンデルタール人のゲノムを解読し、現代人=ホモサピエンスには、この絶滅人類の遺伝子が1~4%受け継がれている、ということを明らかにしたのだという。これにもとづくならば、アフリカを出た現代人の祖先は、すでにヨーロッパに生存していたネアンデルタール人と共存し、交雑した、ということになる。

 この学者は、さらに、現代人がネアンデルタール人から受け継いだ遺伝子のなかには、新型コロナウイルス感染症の重症化をもたらすことと関係しているものがある、ということをも明らかにしたのだ、という。

 そうすると、——コロナウイルスの変異の歴史において、人類に同じような影響をおよぼすものがうみだされる可能性がどれくらいの頻度であるのかは、私は知らないが、——ネアンデルタール人のあいだで、この当時としては新たな型のコロナウイルス感染症が拡大したことが、この人類種の絶滅の一要因となった、ということもありうるのかもしれない。